ストロボをカメラから離れた状態で発光させる手法を「オフカメラライティング」と言います。
これが出来るだけで表現の幅がグッ!と変わるのは皆さんなんとなくご存知かと思います。
しかしながら、このオフカメラライティングは、
- どんな機材を揃えれば良いか分からない
- 必要な機材を揃えると高く付きそう
こんなイメージで取っ付きにくいんですよね。
ということで!
今日はストロボをカメラから離した状態で発光させる方法についてまとめてみようと思います。
安い方法から便利な方法まで数種類書きますので、ぜひご自分に合った方法を探してみてください!
クリップオンストロボ
まず今回話に出てくるストロボについて簡単に。
今回使うのはクリップオンストロボというタイプです。要はカメラの上に取り付けて使うことが出来ますよ、というタイプ。
電池駆動なのでパワーやチャージスピードは遅いですが、その代わり持ち運びが楽ちんで手軽に使えるという利点があります。
オフカメラライティングの利点!
- 光の位置が自由自在!
- ソフトボックスやアンブレラが使える!
それではこのオフカメラライティングができるとどれほど表現が変わるのか、確認してみます。
まずは光の位置を自由にコントロールできること。
「離れた位置から撮るけどライトは近くで発光したい」、あるいは「右側を影にしたいからライトは左側に設置する」、なんてことが自由自在です。
左を影にするため右側にライトを置いた例。
そしてもう一つが、ソフトボックスやアンブレラなどのアクセサリーが使えること。
特にソフトボックスは商品撮影からポートレートまで、ライティングの必須アイテムと言えます。
このように、オフカメラライティングができれば、自然光では撮影しづらかった写真が撮れるようになります。めっちゃ良いですよね…!
クリップオンストロボをオフカメラで使う方法
ではここからが本題!そんなクリップオンストロボをオフカメラで使うための方法3つをご紹介します。
- 有線で発光させる
- 無線(スレーブ)で発光させる
- 無線(電波)で発光させる
①有線で発光させる方法
まず1番簡単なのが、有線タイプです。カメラとストロボを直接繋いじゃえ!という方法ですね。
有線にもいくつか種類があるんですが、簡単なのは、カメラのホットシュー(ストロボを付ける場所)とストロボをコードで繋ぐ方法です。
僕が持ってるケーブルはちょっと特殊なので、汎用的な商品の画像をAmazonより引用。
この有線タイプが優れているのは、どのタイプのカメラ、ストロボでも使えることです。極端な話、オフカメラでの発光に対応していないストロボでも使うことができるんです。
欠点としては、やっぱりケーブルが邪魔になることですね。ケーブルを引っ掛けてストロボやカメラが転倒しちゃうとたまりません。
でも最初はこれが一番簡単なので、既に持ってるクリップオンストロボでちょっと気軽に試してみよう!って程度ならこれで十分だと思います。
②無線で発光させる方法(スレーブ発光)
続いて無線で発光する方式です。
無線発光にも2種類あって、スレーブ発光方式と電波通信方式があります。まずはスレーブ発光と呼ばれるタイプについて。
これはクリップオンストロボが別のストロボの光を感知し、その光に瞬時に反応して発光する!という方式です。
よく使われるのが、カメラ内蔵ストロボをスレーブ発光の合図に使う方法です。(上の写真でいうところの①です)
もしお手持ちのカメラにストロボが内蔵されていカメラであれば、スレーブ発光に対応したストロボを買うだけでOK。
中国製の安いストロボからメーカー純正の高級外付けストロボまで、ほとんどのストロボにこのスレーブ機能が付いています。
3,000円台のストロボ「TT560」。このストロボにもスレーブ機能が付いている。
例えばこのTT560は5~6千円ほどで手に入りますから、カメラにストロボが内蔵されている、もしくは外付けストロボを持っている場合は、これが凄く簡単です。(僕も使っています)
一方でデメリットとしては、カメラのストロボ光が届かないような場所にセットすると発光しないことです。
遠い場所やカメラの後ろ側、アンブレラやソフトボックスの陰になる場合等々・・・。
室内であれば光が回り込んで使える場合も結構ありますが、状況によっては使えなくて困ってしまうかもしれません。
③無線で発光させる方法(電波式その①)
そして一番取り回しが良いのが電波通信式です。これは2.4GHz帯の電波を使って発光させる方式で、ストロボが物の陰にあっても光らせることが出来ます。
ちょっと複雑になりますが、この電波式の発光方法にも2つ種類があって、
- ストロボに受信機能が付いている物を使う
- 受信機をストロボに取り付けて使う
この2つがあります。
1のパターンはストロボに電波受信機能が付いているので、あとはカメラに発信機を付ければ使えます。
僕は普段このパターンで使っています。
具体名を挙げると、キヤノンのストロボ「430EX III-RT」と、キヤノンの発信機「ST-E3-RT」の組み合わせですね。
このブログに載せるレビュー記事用の小物撮影や、証明写真の撮影はすべてこの組み合わせです。
これの最大の利点は、カメラ側の送信機からストロボの設定が変更できること。
ストロボの強さはもちろん、多灯ライティングの場合は各ストロボの強さを個別に調整できますし、発光回数や発光の周波数を調整できるなど、様々な機能を手軽にコントロールして使うことが出来ます。
欠点は、強いて言うなら金額が少々高いことです。例えばキヤノン純正でストロボと発信機を揃えると、5万円ほどします。
そこでオススメなのが、ストロボ専門メーカーの「ニッシンジャパン」の製品です。ストロボとコマンダーをセットで売っているので、これがあればすぐにオフカメラライティングを始められます。
ニッシンは機能性の高いストロボを、比較的リーズナブルな価格で出しているのでオススメですよ。
購入の際に注意したいのは、送信機はカメラメーカー用のものを選ぶ必要があることです。
純正が他社カメラで動かないのは勿論ですが、ニッシン製品だったとしても、例えばキヤノンのカメラを使ってるのにニコン用のセットを買ってしまうと動作しませんので気をつけてください。
④無線で発光させる方法(電波式その②)
そして最後にご紹介するのが、カメラに送信機を、ストロボに受信機を取り付けて使う方法です。
この方法であれば、既に持っている電波通信に対応していないストロボを電波で使うことが出来ます。
こういうやつ。左側が受信機なのでストロボを付けて、右側の発信機をカメラに取り付けて使います。
もし今お使いのストロボが無線に非対応で、でも無線でオフカメラライティングしたい!という場合はこれがお手軽です。
欠点は、カメラ側からストロボの強さを調整できないこと。
ちょっとした物撮りのように近くにストロボを設置する場合は良いけど、数m先にセットする場合は設定変更が億劫です。
もしストロボ自体を持っていない、もしくはこれから本格的にライティングをしたいのなら、こちらより③のタイプの方がオススメですね。やはり最初から無線通信機能があるストロボセットの方が、何だかんだで使いやすいですから。
まとめ
ということでオフカメラストロボの方法でした!
もう一度まとめておくと、
- 有線 → 一番簡単で安上がりだけど取り回しが悪い
- スレーブ発光 → 簡単かつ少ない機材で発光できるけど死角に弱い
- 電波式 → 使い勝手が一番良いけどコストが掛かる
- 送受信機を使う → 低コストで電波式発光が出来るけど設定変更が億劫
こんな感じですね。どの方法も一長一短ある、ってところです。
正直に言うと、ある程度コストを掛けられる、もしくは長く続けていくなら、やっぱり3の送信機+ストロボのパターンが一番オススメです。
特に、純正にこだわりがないのならニッシンさんがオススメです。
因みに、僕は上記の通り普段電波式で撮ってるんですが、それに対応したストロボは2つしか持っていません。
なのでどうしても3灯ライティング必要なときは、「2灯が電波式、残りの1灯は中国製の3千円のストロボ「TT560」をスレーブ(他の2灯の光に反応してTT560が光る)」という組み合わせで使っています。
そんな感じで、必ずしもどれかの方法じゃないとダメ!ということはなく、組み合わせて使うことも出来ますので、ぜひご自分の撮影スタイルや予算に合った方法を見つけてみてくださいね!
▼その他物撮りやライティング関連の記事はこちら。
コメント
てっちーさん、こんばんわ!いつも楽しく読んでいます!このストロボの記事も自分的にタイムリーなネタで助かります( ´ ▽ ` )
そして今回の大雨、お住いのエリア直撃で大変な最中だと存じます…最小限の状態で済む様に祈っています。どうかご無事で。
n0r1h1r0nさんおはようございます!
ストロボ、僕の周りでも「やってみたい!」って方が何人かおられたので、今回まとめてみました!
本当に表現の幅が広がるので楽しいですよね♪
雨、多少近所が浸水したりしていますが、今の所は大丈夫です!
ありがとうございます!!!