よく言われる「APS-Cよりフルサイズの方が良くボケる現象」について、今日は実際に撮り比べた例を見ながら、その理由を2つ、解説してみようと思います!
フルサイズとAPS-Cの違い
センサーサイズの違い
一応大前提ですが、フルサイズとAPS-Cの違いについて!
この2つは何が違うのかというと、ずばりセンサーの大きさが違います。サイズ感はだいたいこれくらい。
こうして比べてみるとそれほど変わらないようにも見えますが、カメラの業界的には「とても違う!」という認識です。
センサーが変わると画角が変わる
センサーのサイズが違うと、同じレンズを使っても写る範囲、つまり「画角」が変わります。
その画角が、センサーサイズが小さいAPS-Cカメラで撮った場合、ちょうど内側を切り取ったような形になるので、フルサイズで撮るよりも狭くなります。
よく「APS-Cの方が望遠が有利」なんて聞きますが、それはこのようにAPS-Cの方が小さい範囲を写すので、同じレンズでも擬似的に望遠で撮れるためです。
実際のボケ量を比較しよう!
同じ画角で撮る場合
上記の通り、同じ焦点距離のレンズを使った場合、APS-Cの方が画角が少し狭く(=望遠に)なります。
なので、同じ範囲を写そうと思ったら、焦点距離が違うレンズで撮ることになります。
具体的には「APS-Cで少し広角なレンズを使う」か、「フルサイズで少し望遠のレンズを使う」ですね。
例えばキヤノンの場合、フルサイズに64mmを付けて撮った写真と、APS-Cに40mmを付けて撮った写真がちょうど同じ画角になります。
と文字で書いても分かりにくいので、実際に撮り比べてみました。
どちらも同じ画角になるよう、APS-Cで40mm、フルサイズで64mmで、その他の条件はすべて同じにしてあります。(F値はどちらも2.8、被写体との距離やその他の設定もほぼ同じ)
真ん中のマークをドラッグすると写真を比較できます。
あれ、微妙な違いですかね?背景ですよ、背景の違いをご覧ください!
すると、フルサイズの方が背景にある紫陽花のボケ具合が大きいのが分かりますよね?
これは、レンズは同じF値でも望遠の方がよくボケるという特性があるからです。(これ、テストに出ます!)
同じ画角でも、フルサイズは64mmで、APS-Cの40mmに比べて望遠なので、背景のボケが大きくなるわけです。
同じレンズで撮る場合
先程は同じ画角で撮るためにレンズ(焦点距離)を変えて考えましたが、今度はどちらも同じレンズを使う場合を考えます。
このように同じレンズの場合、センサーサイズの違いからフルサイズの方が写る範囲が広いので、被写体が小さくなってしまいます。なので、被写体を同じ大きさで撮ろうと思ったら被写体に近付いて撮る必要があります。
ということで、どちらも40mmのレンズを付けて撮り比べてみました。上記の通り、フルサイズの方が広い範囲が写るので近付いて撮っています。
このように、フルサイズの方が背景のボケが大きくなっていますよね。
レンズには、被写体に近付けばボケが大きくなるという特性があるからです。(これもテストに出ます!)
まとめ
ということで、なぜフルサイズの方がよくボケるのか、サクッと説明してみました。
今回の作例では被写体も背景もゴチャゴチャしてるせいで、それほどボケの違いを感じなかったかもしれませんが、理論値で言うと、「1段ちょい」ほど明るいレンズを使っているのと同じくらいボケ量が変わります。
なので、ポートレートの撮影のように背景をたくさんボカしたい!という場合はフルサイズの方が有利と言えます。
一方で集合写真や物撮りのように、出来るだけボカしたくない場合はAPS-Cの方が有利になるので、撮影状況によってどっちのセンサーサイズが有利か考えて利用すると、またちょっと違った撮り方ができるのではないでしょうか。
ということで、センサーサイズによるボケの違いについてまとめてみました!少しでも誰かの参考になれば幸いです!
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