FUJIFILM炎上の件から考える、撮る人と撮られる人の気持ち。

カメラの話

富士フイルムが新しいカメラX100Vを発売。その公式プロモーションの中の動画の1つが炎上しています。

簡単に説明すれば、とある写真家さんが、FUJIFILMが新商品アピールの動画内で、

  • 通行人を無許可で撮影
  • 明らかに嫌がられる撮り方をしている
  • それを作品として無許可で発表している

というかなりグレーな撮り方をしていたため、批判が殺到したというものです。

もう少し詳しい内容としてはこちらのニュースに出ています。

写真のジャンルとして、街中で撮るものは「ストリートスナップ」などと呼ばれますが、こういう分野ではしばしば被写体のプライバシーや肖像権が問題となります。

これは避けては通れない問題だし、簡単に正解が導き出されるものではないと思いますが、今回の件がある種問題提起となり、SNS等で話題になっているので、僕も少し自分の考えを書いてみようと思います。

 

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撮られる人に与える影響

正面から来る人の進路を塞ぎ、そのリアクションを撮るということ


(上記サイトより引用)

まず今回の件での一番の問題点は、「明らかに嫌がっている人を撮っている」ことだと思います。

動画を見ていれば、前から歩いて来た人の進路を塞ぎ、驚いたように顔を上げて避ける人を撮っているように見えるんですが、僕はこれを見たとき、以前Twitterで見かけた「#わざとぶつかってくる人」の話を思い出しました。

女性(に限らず男性もあるかもしれないけど)は少なからずすれ違う男性との体力差に警戒し、怖い思いをしています。中には弱い女性をターゲットにしてわざとぶつかってくる人もおり、怪我やホームからの転落の危険に常に怯えている人も。

もちろん写真を撮ることとぶつかることは違いますが、突然カメラを持った男性に道を塞がれる恐怖、そしてその表情を撮って作品として出す行為については、その意味をもう一度考え直し、相手の気持ちを想像してみた方が良いのではないかと思います。

無許可で写真を撮って作品作りするということ

続いて通行人を無許可で撮って作品として発表することについての問題。

今回の動画に出てくる撮り方は盗撮と捉えられ兼ねないレベルに達していて、正直極端過ぎます。下手したら迷惑防止条例等に引っかかる可能性だってあると思います。

ただ、「意図して撮った」のか「意図せず写り込んだのか」の違いは大いにあると思いますが、他人を撮るという行為自体の是非は、これまでもたびたび取り上げられてきた問題です。

  • 逐一相手に確認してから撮るのか?
  • たまたま写り込んだ人に後から気づいた場合はどうやって確認するのか?
  • 豆粒のように小さく写った人にも肖像権が適用されるのか?

細かいことを言い出せばキリが無いし、実際の可否は法律や判例を見て解釈するしかないのですが、ただ写真作品における肖像権問題は「写真家側の立場」で語られることが多い点には注意が必要です。

これも個人的な意見としては、結局「撮られた人が嫌な思いをするかどうか」を想像することが重要で、法律や自分の正当性は一旦置いておいて、「相手に不快な思いをさせないためのマナー」を守ることが大切だよね、と思うわけです。

  • 許可なく他人にカメラを向けるようなことはしない
  • プライベート性の高い人が写り込んでしまった場合、個人が特定できる場合は公開しない

地域のお祭りでお神輿を担いでいる人と、街で歩いている人を一律に考えることは出来ませんが、普通プライベートで行動しているのにカメラを向けられたら嫌がる人の方が多いでしょ?っていうことです。

因みに、僕は基本的には「きちんと許可を取ってから撮った方がトラブルなくて良い」と思っているので、出来る限り声を掛けて撮るようにしています。今まで一度もトラブルになったことはありません。

公式であることの意味

公式の責任

そしてやっぱり批判されても仕方がないと思うのは、公式で動画をアップした富士フイルムです。

  • 犯罪行為を助長する動画ではないか
  • 大手企業がこのような行為に疑問すら抱いていないのか
  • 写真家=マナーが悪いという誤解を流布していないか

Twitterを見ているとこのような声を多数見かけました。

もちろん全てのプロモーションを富士フイルムが作っているわけはなく広告代理店や色んな人が入るんでしょうけど、結果的には企業の名前で公表される以上、チェック体制の甘さも含め批判されても仕方ないでしょう。

結果的に富士フイルムは公式サイトにて謝罪文を掲載。

「FUJIFILM X100V」プロモーションサイトにおいて、視聴者の皆様に不快感を与える動画が掲載されましたことを深くお詫び申し上げます。本日、当該プロモーション動画の配信を停止いたしました。

頂戴いたしました、多くのご意見・ご指摘を真摯に受け止め、今後このようなことがなきよう努めてまいります。引き続き、写真の素晴らしさを多くの皆様に共感をもって受け止めていただけるよう取り組んでまいります。

また、動画を非公開にしています。

動画の中には一瞬写真家さんが警察官に職務質問されているようなシーンが写っていて、つまり作り手は多少グレーな部分があるのも認識していただろうし、少し過激な方が視聴者にアプローチできるという考えはあったのではと予想されます。

ただ、今の時代に許容される撮り方ではないので、炎上してしまったのは至って当然のことだろうなと思いますね。

スタイルを変えるのは大変

もう一つ、ちょっと話の本筋とは反れますが、この写真家さんの今後について少し気になりました。

僕自身この方をこれまで知らなかったので想像になってしまいますが、企業の公式プロモーションに使われるくらいなので作品をとても評価されていた方なんだと思います。

が、あの動画が出てしまった以上、今までと同じスタイルの写真は世に出せなくなるか、もしくは出しても常に批判的な目が向けられるようになってしまいます。もしこの撮り方がこの写真家さんのアイデンティティであったなら、今後自分の武器を使いにくくなるかもしれません。

つまり自分がこれまでやってきたことを批判される形になってしまったので、もし写真家としてやっていくなら違うスタイルを模索する必要があるわけです。

しかし、考えてみると誰しも自分がやってきたことを、ある日突然世間から批判される可能性は常に身近にある気がします。それは自分が正しいと思っていることが世間では間違っている可能性もあるし、長年やっているうちに世間が変わる可能性だってあります。

そういう意味でも自分が正しいと思っていることが本当に正しいのか、迷惑かける人がいないのかということは常に意識しておく必要性を感じました。

まとめ

ということで、今回の件について幾つか思うことを書いてみました。

自分の好きなことをトコトン突き詰めていくと、他人のことに意識が回らなくなったり、知らぬ間に人に迷惑を掛ける事は誰にでもあります。

しかしながら忘れてはいけないことはあるし、マナーを守らない行為が結局自分たちの首を絞めることを十分理解した上で、写真活動できたらいいなぁと思う次第です。

宣伝効果は高いかもね!

最後に蛇足なんですが、今回の件でX100Vについて調べてみたところ、

  • 35mm/F2.0相当単焦点レンズ
  • X-Trans CMOS4センサー
  • ハイブリッドファインダー

という物凄く魅力的なな項目が並んでいたため興味津々です。16万ちょっとの予想価格で、ちょっと高いけど、落ち着いてきたら考えちゃうかも。

今回の件、図らずしも炎上商法となって誰かのハートを射抜くかもしれませんねw

まぁ失うものはそれ以上に大きいかもしれませんが…。

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