GITZO(ジッツオ)のカーボン三脚、システマティック4型3段ロングを購入しました!
恐らく僕の人生において最初で最後の本格三脚になると思ったので、オーバースペックとも言えるかなりしっかりした三脚を選びました。
安定性が凄い!!デカイ!!
主な仕様
まずは主な仕様を書いておきます。
- 型番:GT4533LS
- 伸高:156cm
- 格納高:69cm
- 最低高:11cm
- 自重:2.31kg
- 耐荷重:25kg
- 脚パイプ素材:カーボン(Carbon Exact)
- 脚パイプ径:37.0mm、32.9mm、29.0mm
- 雲台取付ネジ:太ネジ(3/8インチ)
- 発売日:2016年11月30日
雲台無しで2.31kg、格納高69cmというちょっと信じられないサイズ感ですが、僕が撮影に行く場合車移動が多いので、このサイズでも(多分)許容範囲かなと。
まぁ徒歩移動が多い場合はManfrottoのBefreeや以前使っていたVelbonの三脚に任せて、こちらはガッツリ本格撮影用です!
選んだ理由
今回は結構色々調べて悩んで買ったので、まずは選んだ理由を書いておきます。
なぜ三脚を買ったのか
そもそもなぜ三脚を買ったのかって話ですが、早い話カメラとレンズが変わって今の三脚では力不足になったからです。
僕はこれまでVelbonのアルミ三脚「Sherpa535II」を使ってたんですが、フルサイズの5D Mark IVと望遠ズームのEF100-400mmを付けるともうダメですね。三脚自体がネジレてしまうので、風があるとブレまくりです。
「ならしかたない、新しいの買うしかないよね!」
これです。
ほんと、物品購入の理由を見つける早さは我ながらピカイチ。
せっかくなので、「一生使える物にしよう!」と決めました。(なんか新しい物買う度に言ってる気がする…)
なぜGITZOか
VelbonやManfrotto、SLIKなど本当に沢山の選択肢があったんですが、とにかくシンプルで三脚としての性能が高いものを探していました。要するに安定性とかそのへん重視です。
質実剛健という意味では日本のメーカーも良いなぁと思って色々見てたんですけど、目的とちょっと違う雲台がセットだったり、微妙に条件が合わなかったりでピンと来ず。で、結局GITZOにしました。
余計な雲台がセットになってないのもいいし、商品ラインナップの幅が広めなのも好みの三脚を見つけやすくて良かったです。
あとなんか響きがカッコいいですよね。ジッツオって響きがね。何回も口に出したくなりますよね。ジッツオ。
なぜシステマティックか
GITZOを選ぶ場合マウンテニアにするかシステマティックにするか悩むところです。
基本的には可搬性も重視するならマウンテニア、堅牢性・拡張性を優先するならシステマティックって感じだと思いますけど、僕は将来的に、三脚にフルサイズ2台を載せて撮ることなども計画しているし、そもそも移動は殆ど車なのでシステマティックにしました。
ただ、システマティックは「センターポール」が付属しない(別売り)ので、初期状態ではエレベーターは使えません。ここは注意が必要ですね。
なぜ4型か
GITZOの三脚は脚パイプ径の太さで0型~5型に分かれます。数字が小さいほど細く軽量、大きいほど太く強固になります。
今回3型(32mmΦ)にするか4型(37mmΦ)にするかで本当に悩みました。どちらも耐荷重が25kgで同じだし、値段もそれほど変わりません。
なんですけど、上に書いたように僕の使用するEF100-400mmはテレ端の400mmにした時に凄く伸びるので、いわゆるモーメントの関係で三脚のねじれが発生しやすいんです。
今後バッテリーグリップ装着などでカメラが重くなるかもしれず、そうするとねじれも大きくなるんで、安心の4型を選びました。
なぜ3段か
この理由は単純で、単に4段が面倒くさいからです。だって1段増えるだけで3回も脚伸ばす作業が増えるじゃないですか!
確かに三段の方が収納時の長さが長くなるんですが、これも基本的には車移動ということで、特には気にしませんでした。
なぜロングか
そして最後、ロングタイプを選んだ理由。正直これは最後まで悩みました。
僕は身長が170cmちょいありますが、目から頭の先が20cmちょいあるのでアイレベルは150cm前後です。この三脚は雲台を付けるとアイレベルが173cmくらいになるので、脚を全て伸ばすとカメラのファインダーが僕の目線より20cmほど高くなります。
本当はジャストサイズが良かったんですが、残念ながらそれはラインナップになく、これより低いものだとセンターポールが必須になります。
正直、ブレの原因になるセンターポールをあまり常用したくなったので、今回はロングを買って脚で調整することにしました。
というわけで、「GITZOの三脚、4型、カーボン、3段、3世代目、ロング、システマティック」である「GT4533LS」にしました。
実際の使用状況としては、足を一本だけ伸ばして2段の状態で使うことが多くなりました。
正直その状態でもそこそこの高さがあるのでかなり使いやすいです。
なにより足を出す作業が1回ずつなので凄く楽ですw
本文中にしょうもない冗談を書いていましたが、コメントでご指摘頂いた通り、随分日が経ってから見直すととてもツマラナカッタので削除しました。
外観
ようやく外観を見ていきます!前置き長すぎ!!
一応システマティックも昨年11月にリニューアルされて変わったところもあるようなので、そこもお伝えできればと思っています。
全体像
まずは全体像です。EF100-400mmと5D4が小さく見えるサイズ感。
カーボン素材(Carbon Exact)
リニューアル型はカーボン素材も変わったようで、「カーボンエグザクト」というやつになっています。ちょっと織り目が変わったようですね。
脚にはウレタンなどは巻いておらず、3本ともむき出し。必要な場合は適宜レッグウォーマーなどを購入することになります。
モジュラー式の上部
「システマティック」という名称の通り、なかなか拡張性に優れた仕様が魅力です。
三脚上部はモジュラー式になっており、標準装備のプレートを外してセンターポールやその他ビデオ用のパーツを取り付けることが出来ます。
標準のプレート(トップフラットプレートという名称)を取り外すとこんな感じ。
取り外し自体は画像右寄りの黒いレバーで行うので、わざわざツールを用意する必要はありません。
また、今回は購入していませんが、サイド部分に拡張パーツを取り付けたり出来るようです。
あと上の写真をご覧頂くと分かるように、三脚自体に水準器が付いているんですけどこれが結構重要です。
これのお陰で三脚自体の水平を取ることができ、カメラをパン(首を左右に振る)しても水平を保ちつづけることが出来ます。
これ、パノラマ写真撮影なんかで手間が減ってすごく便利なんですよね。前使ってた三脚にはこの機構が無かったので、これは思いがけず嬉しいポイントでした。
ロック機構
脚を伸ばしてロックするための機構はナット式。ひねって緩め、ひねって留めるタイプです。
僕が今まで使ってた三脚は全てレバー式だったんで、ナット式は初めてです。やはり動作が早く、手軽なのはレバー式ですね。
まだ慣れていないので、
- 伸縮作業に時間がかかる
- 咄嗟にどちらに回すのか間違える
- ちゃんと締めたつもりでも締まっていない
という、「いかにも初めてナット式を買った人」の典型的なパターンにハマっていますけど、これはまぁ慣れの問題でしょう。
しばらく使ってたらすぐ慣れました。あと上記の通り1段だけ伸ばして使うことが多いので、手間は特に感じていません。
開脚部
この三脚はローポジションを出すため、脚が広く開くようになっています。そのための機構がこんな感じ。
この「GITZO」と書かれた樹脂パーツを引っ張ると…
このように浮き上がってロックが解除されます。すると脚を2段階で広げることができます。
実際の使用としては、ローアングルを確保するというよりは、堤防越しに撮る場合などに足2本だけをこの状態にして、堤防に掛けて撮る、なんて使い方の方が多いですね。
便利です。
石突(いしづき)
石突は2種類が付属しています。
一つは地面と接する部分に靴が履いてあり、これの角度が自由に変えられるもの。
少々無理なポジションとっても安定する感じがします。
もう一つは通常のタイプが付属していますが僕は使っていません。(写真撮り忘れ)
なお、スパイクタイプの石突は別売りです。
付属品
付属品は、保証書とかと通常の石突、あとトルクスレンチ等の工具類数種でした。
感想
まだそれほど持ち出せていないのですが、何度か使ってみての感想を書いてみます。
安定性
これは凄く良いです。先日風の吹く山の上で、EF100-400を使って30秒露光しましたが、まったくブレていませんでした!
ただ、それ以上に更に風が強いロケーション(軽い三脚だとカメラごと倒れてしまうほどの強風)で撮影していたところ、やはりブレました。
どうやら三脚の問題というよりは、レンズとカメラの接続部分(要するにマウント部)の剛性の問題のようです。
僕が目指しているのは「どんな環境で長時間露光しても1画素もブレないシステム」なので、また追って対策したいと思っています。
大きさ・重さについて
カメラを付けて脚を全部伸ばした状態で、僕の目線から見るとこんな感じ。
全部伸ばして使うことはあまりありませんが、その場合は脚立があると頭一つ抜け出せるので便利ですね。
重さは…、まぁイメージ通りです。先日1kmちょいのちょい坂道を往復しましたが、思ったほど苦痛ではありませんでした。案外何とかなるイメージ。
でも起伏のある道を歩く場合や他に大量に荷物がある場合は、別の三脚を選ぶかもしれません。
気になった部分
このように(値段以外)概ね満足しているんですが、少し気になった部分を書いておきます。
- 脚を縮めるときに縮みにくいときがある
- 値段がかなり高いのにスポンジが巻いてない、別売り
- 持ち運び用のカバンもない、別売り
脚が縮みにくいのは、暫く使ってれば調子よくなくなってくるのかもしれませんのでもうちょっと使ってみます。
ただ、スポンジが無くて地肌丸出しなのと、付属の袋がショボいのはちょっと残念でした。
やっぱりカーボンに傷が付くのは嫌なので…この金額ならせめてスポンジグリップくらいは付属してほしかったなぁ…と思う次第です。
最後に
というわけで長々とレビューしましたが、以上GT4533LSでした。本当に良い物なので、一生大切に使っていこうと思います。
さて、今回書いたのは三脚のみ。雲台についてはまた次の記事で書こうと思いますのでよろしくお願いします!
▼雲台のレビュー書きました。
追記:1年間使っての感想(2018年1月)
コメント頂きましたので、ちょうど良い機会ですので1年間使っての感想を追記したいと思います!
2段で使うことが多くなった
まず、本文中にも書いた通り、脚一本を伸ばして「2段三脚」として使うことが結構多くなりました。
これは僕自身が極度のズボラ人間であるため、少しでも脚を伸ばす回数を減らしたいからですw
その場合もこのGT4533LSなら、2段使用時でも結構な高さが確保できるので、満足して使うことが出来ます。
一般的に三脚は「脚を伸ばした時にファインダーがアイレベル」が良いとされますが、ライブビューを多用する昨今では少々高さが違っていても問題ないと思うんですよね。
個人的にはアイレベルより少し低いくらいの方が身体的に楽ですし、パン棒などの操作もし易いので、ちょっと低くても良いんじゃないかなぁと思っています。
やっぱり撮影地に行って、最初に自分の目で見た高さで構えられない三脚は、時に悔しい思いをする可能性があります。
ロングという長さの活用方法
では最長まで伸ばして使用することは無いのかというと、これがまたゼロではありません。よくやるのが「全伸ばし+脚立」です。
時々イベントなんかで脚立で撮ってるおっちゃんがいますが、まさにあれのイメージですね。(なぜか乗り物撮りに多いイメージw)
僕は車にいつもアルミ脚立(天板が広くて使いやすいタイプ)を積んでいるので、駐車場が近い場所で高さが必要な場合はたまぁ~にやってますね。ほんとにたまにですけど。
エレベーターが無いことの弊害
その一方で、エレベーターが無いことの弊害を感じることがあります。それが建築撮影時と商品撮影時、そして証明写真撮影時です。
以前の記事でも書きましたが、建築写真の撮影で広角レンズを使う場合、カメラの前後左右の水平を保ったまま、カメラの高さを変えることがよくあります。
商品撮影や証明写真撮影でも、商品や人物の高さによってカメラを上下したい時、エレベーターが無いと3本の脚を全て調整しないといけないので大変です。
またGITZOの三脚は日本メーカーと違い、脚に目盛りが無いので難しいんです。
今のところあまりそういう撮影は無いんで良いんですが、もし増えてきたらエレベーター買おうかなぁという感じですね。
重さについて
重さについては、相変わらず車移動ばかりなので、重いと感じたことはありません!
以上、1年経っての追記でした。
コメント
恐らく「身長が210cmありますが」は「身長が171cmありますが」、「目から頭の先が60cm弱くらい」は「目から頭の先が60mm弱くらい」が正しいのではと思います。
いや、、、もしかして本当に身長210cmあるのかも、、、 だとしたら失礼致しました。
kuni doiさん、コメントありがとうございます!
本当にごめんなさい、ちょっとしたジョークのつもりで書きましたw
肝心なアイレベルだけは正しい値となっております!
考えさせてしまって申し訳ないです!m(_ _)m
2018年1月追記
考えてみたら全然つまらないジョークだったので、訂正しました!
ごめんなさい!w
恐れ入りますが、三脚に関して教えてください。
2017年8月追記で、「実際の使用状況としては、足を一本だけ伸ばして2段の状態で使うことが多くなりました。」とありますが、その理由はなんでしょうか?
同じ雲台の組み合わせでこちらの三脚を購入しようと考えていますが、私の場合もアイレベルをオーバーするので、平地での普段使いには脚を縮めて高さを調整する必要がありそうです。その場合、その調整の作業が面倒になってしまいそうだと考えていました。
けんじさんこんにちは、コメントありがとうございます!
2段で使っている理由ですが、一番大きいのは「脚を伸ばすのが面倒くさいから」ですw
どんだけ横着なんだよ!って感じですが、三脚を使う撮影ではライブビューで撮ることが状態化してきまして、必ずしもファインダーがアイレベルに達していなくても撮れることが意外と多いんですよね。
そのため、「無理に3段伸ばさなくても良いや、低い方が安定もするしね」って感じで2段の状態で使うことが多くなってきました。
2段で使用したときの安定感が物凄いし、2段でもそこそこの高さがあるのもその理由の1つですね。
とはいえもちろん、2段では高さが足りないと状態や、しっかり撮りたい時、待ち時間が長い時などは、横着せずにアイレベルまで伸ばして使っています!
アイレベルの参考としては、3段目の三脚に印を付けておくと良いかもしれませんね。
それを基準にすれば一発でアイレベルにすることが出来ます。
てぴっくすさん。こんにちは!
早速のご回答有難うございます。実際使用されている方の意見を聞くことができて大変参考になりました。ご指摘の通り、三脚の場合はライブビューを多用していればアイレベルまでの高さは不要ですね。有難うございました。大変参考になりました。
少しでも参考になってたら幸いです!
また何か疑問点等ありましたらお気軽にコメントしてくださいね♪
(少し本文末にも追記しました)