以前、ソフトボックスを使っての商品撮影について書いたのですが、「そもそもソフトボックスの使い方が分からないんだけど!」という声をいただいたので、今回はソフトボックの使い方についての超基本的なことをまとめてみようと思います。
- 「ライティングやってみたいけどどうやれば良いか分からない」
- 「ソフトボックスを使ってみたいけど使い方が分からない」
- 「何を揃えたら良いか分からない」
こういった疑問を解決すべく、丁寧に解説していきます。少しでもこれからライティングを始めたい方の参考になれば幸いです!
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ソフトボックスの効果
最初に、ソフトボックスを使うとどれほど写真に違いが出るのか見てみます。
まずはソフトボックスなしで撮った写真。
ハッキリと影が出ていますよね。
一方でソフトボックスを使うとこんな感じ。
その差は一目瞭然。ソフトボックスを使った方が影が柔らかくなっています。
このような違いが出る理由は、ストロボを直に比べ、ソフトボックスの方が光る場所の面積が広いためです。
ソフトボックスを使っているので発光面積が広くなっている
このように、ソフトボックスは光る面積を大きくするために使う道具であると言えます。
ソフトボックスを使うための準備
ソフトボックスを使うと影の柔らかい写真が撮れることが分かりました。
ではソフトボックスを使って撮影するには何を揃えれば良いのでしょうか。具体的に必要なものが4点あるので、ご紹介します。予算は全部で1万円ちょいあればOKです。
ソフトボックス
まず今回メインとなるソフトボックス本体ですが、中国メーカーであるGodoxやNeewerから、3千円台の物が発売されています。
え?安すぎない?大丈夫?と思うのですが、全く問題ありません。
それどころかこの商品はストロボを固定するための「アダプター」がセットになっているので、別途購入する必要がありません。
驚くほどコストパフォーマンス抜群です。
ソフトボックスは大きければ大きいほど影が柔らかくなりますが、僕は取り回しも含めて使いやすい60cm×60cmを使っています。
ライトスタンド
ライトスタンドは僕はETSUMIの4,000円くらいのを使っていますが、NEEWERでも良いと思います。ポールの固定方法が少し違う程度で、実質違いはありません。
ストロボを既にお持ちの方であれば、この2つがあればOK。5千円ほどで揃います。
ストロボ
光源には色んな種類があるのですが、今回は「クリップオンストロボ」と呼ばれる、単三電池で光るストロボを使います。利点は、コンパクトな上、電源ケーブルが必要ないので取り回しが良いことですね。
ソフトボックスを使う場合、このストロボをカメラから離れた場所で光らせる「オフカメラライティング」という使い方をします。
オフカメラライティングの方法は何パターンかあるので、詳しく知りたい方は以前書いた記事を参照してください。
まず、今回は格安中国メーカー、GodoxのストロボTT560を使います。
これは3千円台で買える、多分Amazonで一番安いストロボです。機能性は低いけど十分役に立つストロボです。
これをカメラから離れた場所で発光させるために、「コマンダー」と呼ばれる送受信機を使います。同じくGodoxの「FC-16」を使います。
これだけ揃えればOKです!
因みにGodoxのストロボはカメラメーカーに関係なく使えますが、コマンダーは各カメラメーカーで違うので、お手持ちのカメラメーカー用のFC-16をご購入ください。
使い方!
それではソフトボックスの使い方を見ていきます!
ソフトボックス組み立て
ソフトボックスの組み立ては凄く簡単です。
ソフトボックスを開く。
そこに、光拡散用の白い布を内側に1枚、
外側に1枚、セットします。
二重の布で光を柔らかくする仕組みです。
これだけでソフトボックスの組み立ては完了です。簡単!
ソフトボックスをライトスタンドにセットする
続いてソフトボックスをライトスタンドにセットします。
ライトスタンドの先端はこういう形状になっていますので、そこにアダプターをガポっと取り付けてネジを締めるだけ!
あとは被写体に向けて実際に撮るだけです。一応セッティングのセオリーは斜め45°の角度です。
「ソフトボックス斜め45°+反対側にレフ板」のセットでほとんどの物が撮れてしまいます!
(因みにレフ板は発泡スチロールを洗濯バサミで立たせただけのものですw)
設定
最後にカメラ側の設定です。
- シャッタースピード:1/100秒
- 絞り:F8前後
- ISO:100~200
- ストロボの強さは1/4くらい
ストロボを使う際はシャッタースピードが速いので、三脚は必要ありません。
僕は最初、一旦この設定で撮ってみます。そしてモニターを見ながら明るさやソフトボックスの位置を適宜調整します。
なお、明るさを調整する場合は、「絞り」か「ISO」か「ストロボの強さ」で調整してください。シャッタースピードを変えても明るさは変化しません。
ソフトボックスを使った作例
それではソフトボックスを使った作例です。(基本的にはどの写真もレフ板を使用しています。)
まずは商品撮影のイメージ。上で書いたセオリーである、右斜め45°から発光させ、左にレフを置いています。
この「片側1灯+レフ」というセッティング、メルカリやヤフオクなどの商品写真でも同じ撮り方でいけます。かなり使いまわし出来ます!
続いて俯瞰料理写真。今度は配置を変えてみました。写真上側から1灯、手前にレフです。
ソフトボックスを使うことで均一な光を得られ、更にカレーに適度な輝きが出たと思います。
ちょっと古いカメラのイメージ写真。こちらも俯瞰ですが、右真横に1灯、左にレフを置いています。ホワイトバランス「太陽光」で撮ったので、少し全体的に青っぽくなっています。
こちらは黒バックにソフトボックスを2灯使った例。左右から当てています。
黒バックにするだけで急に高級感が出た気がします。
まぁデジタルカメラなので、撮りながら調整すれば良いです。あまり難しく考える必要はありません。
ソフトボックス使いこなしのコツ
ソフトボックスの使い方が分かったところで、初めて使う時に知っておくと便利な「使いこなしのコツ」を幾つかご紹介しておきます。
ソフトボックスは被写体に近付けた方が光が柔らかくなる
これ、勘違いしている人が多いようなのですが、ソフトボックスは被写体に近いほど光が柔らかくなり、影が目立たなくなります。
なので、撮影の際は写真に写り込むギリギリのところまで近づけて撮ると効果的です。また、その方が光量も稼げるので一石二鳥です!
ライトスタンドは三脚に比べて倒れやすい
ライティングでよく使われるライトスタンドはとても小回りが利くのですが、三脚に比べて不安定で、特にソフトボックスを乗せた状態だとちょっとの風でもすぐグラグラします。
風が吹いて被写体の女性に怪我でもさせてしまったら大変!
そこでオススメなのが、スタンドの脚にカメラカバンを固定する方法です。面倒でもぜひスタンドの脚元を固定して使うようにしてください!
最後に
というわけで、ソフトボックスの基本的な使い方について書いてみました。
ライティングだのソフトボックスだのと聞くと一見難しそうに思うのですが、実は間口は広くて簡単に始めることが出来ます。
予算も今回のように1万円少々で始めることが出来るので、興味のある方はぜひトライしてみてください!
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