「デジタルでフィルムを再現したい」で有名な嵐田大志さんが書かれた本「カメラじゃなく、写真の話をしよう」を購入しました。
僕も嵐田さんはInstagramをフォローさせてもらっているのですが、普段から掲載されている写真が素晴らしいのでこの本が予約開始されたときすぐにポチってました。内容もとても良かったので、簡単にではありますがご紹介したいと思います!
写真の楽しみ方を思い出させてくれる1冊でした
今の時代に合った教科書
この本の帯に「技法書の前に読みたい新しい写真の教科書」と書いてあるんですが、僕は典型的な「技法書を読み漁った」タイプの人間で、このブログ自体も完全に「技法」に寄った内容です。そういう内容が好きな人(僕自身もそう)や、少し専門的な知識が欲しい人に向けてずっと記事を更新してきたように思います。
ただ、この本の冒頭にもあるようにiPhoneを筆頭としたAIが搭載されたカメラが一般的なっているなか、「上等なカメラと高度な技術」で写真を撮るための技術ばかりを勉強したところで意味をなさない時代になっています。
この「カメラじゃなく、写真の話をしよう」では、スマホが発達しSNSが流行る時代のなかで、じゃ写真を撮る人たちは何を学ぶべきか、どんな視点で写真を撮ればいいかということを、非常に分かりやすく優しい言葉で書かれています。
それは被写体を選ぶときの考え方だったり、気持ちの持ち方だったり多岐にわたるわけですが、どれも機材なんかは関係なく、それでいて的確に示されているので、(おそらく僕のブログを読んでいる方のほとんどである)一度技法を勉強した方々にとってもきっと目からウロコが落ちるような内容が多いのではないかと思います。
正解は1つではない
技法や機材の話をするのは数値や模範例に当てはめればよいだけなので非常に簡単です。その模範例や大多数の人が良いと感じる撮り方を「セオリー」として、そのセオリーと比べながら撮ればいいので考える必要がありません。
ただ、そういうセオリーはやはりSNS登場以前からあるルールだし、写真を見る媒体が紙からスマホなど多様化する昨今、もっと色んな考え方があっても良いんじゃないか?ということもこの本は提案してくれています。
三分割構図でも日の丸構図でも、フルサイズでも1インチでも、RAWでもJPEGでも、一眼でもスマホでも、それぞれの利点があるしそれぞれの良さがあってどちらが正解なんてことはありません。
僕はついつい「フルサイズはやっぱりノイズが少ないから良いなぁ」なんてことを言って、その結果重たいカメラを持ち出さなくなるタイプなので、もっと色んな面で柔軟な考え方を持ちたいなぁと思った次第。
ちょっと大げさな話になりますが、このセオリーにとらわれないという発想は、写真に限らず日常生活の多くの場面でも言えることだと感じています。もともとそういう考え方の人もいると思いますが、僕はついつい忘れがちになってしまうタイプの人間なんで、普段から意識して訓練していかねばと思いました。
良い写真とは
この本の最後には、「良い写真」について考え方のヒントも示されています。
写真の楽しみ方は人それぞれで、自分の趣味なのか、人に求められたものなのか、色んな状況によって「良い写真」の定義は異なります。
僕自身は技巧的な写真も好きだし、光がエモいだけで簡単に感動しちゃうような人間なので、割とどんな写真でも良いなぁと思っちゃうんです。でもその一方で「自分の好き」と「他人の好き」の相違も感じていて、自分が撮る側に回った途端「果たして自分の写真は人に受け入れてもらえるんだろうか」と不安がよぎります。
そういうときはついつい派手な写真や一般受けしそうな写真をSNSに載せてみるんですけど、そんな風にウケを狙った写真撮影って楽しくないですし、あとで自分の写真を見返してもときめかないんですよね。
そういうある種のスランプに陥ったときのヒントがこの本にはあるので、僕にとっては教科書であると同時に、気持ちの休憩場所でもあるなと感じました。写真が楽しくなくなった人にもぜひ手にとって欲しい一冊ですね。
まとめ
ということで、今日は嵐田大志さんの「カメラじゃなく、写真の話をしよう」について、僕の乏しい語彙力で一生懸命感想(というか説明?)を書いてみました。
この本は文章も然ることながら掲載されている写真も素晴らしいものばかりです。一般的な技法書を読む前の方でも良いし、思ったように写真が撮れなくて悩んでいる方でも良いし、ただ綺麗な写真が見たい人でも良いと思います。オススメですよ。
SNSもぜひご覧ください。
最後になりますが、僕が嵐田さんを知ったのは、確かEFマウントで使えるオールドレンズを探していてRECOの記事を見たのがきっかけだったように記憶しています。
これ以来Instagramをフォローして、ずっと写真を拝見させてもらっています。素敵な写真が多いので良ければぜひ皆さんも見てみてくださいね。
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