ネガフィルムに比べて少し敷居が高い気がする「リバーサルフィルム(ポジフィルム)」。
そんなリバーサルフィルムの中で、富士フイルムの「PRIVIA100F」を試してみたんですが、それがめちゃくちゃ素晴らしかったのでブログに記しておこうと思います。
今回のブログ内では両方の呼び方が混在していますが、特に理由はありません。
リバーサルフィルム(ポジフィルム)とは
そもそもリバーサルフィルムってなんぞや?という話を少しだけ。
まず、よく一般的に使われているフィルムは「ネガフィルム」。これは明るさや色が反転して記録されるフィルムです。
こういうやつ。普通「フィルム」って聞くとイメージするやつはこちらじゃないでしょうか。
一方の「リバーサルフィルム(ポジフィルム)」は反転せずに記録されるフィルム。なのでそのままの色味・明るさがフィルムに写ります。
後ろから光を当てるとこんなふうに見えます。
色が反転されてないので、例えばプロジェクターを使って投影することも可能です。
リバーサルフィルムの特徴
ではネガとポジで一体何が違うんだ?という話ですが、ネガに対してのポジの特徴としては一般的に、
- 色が鮮やか
- シャープネスが高い
- ラティチュードが狭い
- 現像代が少し高い
- 現像に日数がかかる(ことが多い)
ということが言われます。
ネガに比べると発色の高いビビッドな画になるので、風景写真などに好んで使われたようです。
一方で、ラティチュードが(ネガに比べて)狭いので、露出にシビア。
それゆえ少し敷居が高いのかなぁと思いますが、ただこれに関してはデジタルカメラの特性に近いとも言えるので、普段デジタルに慣れていればそれほど恐れることはないかなぁとも思います。
現像とスキャン
現像
現像は今回もカメラのキタムラに出しました。
ポジフィルムは1コマ毎に綴る「マウント仕上げ」と、6枚ずつにカットされた「スリーブ仕上げ」が選べますが、今回はスリーブで仕上げてもらいました。
キタムラの場合、仕上がりまで約一週間掛かります。
金額は36枚撮りで880円でした。ネガの場合、即日現像で648円なので、ここも少し敷居を高く感じさせる要因の一つかもしれませんね。
スキャン
リバーサルはそれ単体で鑑賞の対象になりうるのですが、Webに載せたり大きな画面で鑑賞するには一度デジタイズしなければなりません。
頼むのを忘れてたので、今回は自分でやりました。先日購入したニコンのデジタイズアダプター「ES-2」を使用!
リバーサルの場合、ネガポジ反転処理をする必要がないので取り込みは凄く楽。基本的には取り込んで角度等を調整すればそれだけでOKです。
撮った写真
というわけで、取り込んだ写真を載せてみますのでご覧ください。
正直に言うと、一度ライトボックス上でフィルムの現物を見てしまうと、デジタイズした写真は物足りなく感じるのが事実です。
その原因の1つにデジカメ(jpeg)のダイナミックレンジの狭さがあると思うので、読み込み後にシャドウ部を持ち上げる現像処理を行っています。
ご覧の通りPROVIAはポジフィルムの中ではそれほどビビッドなわけではなく、凄く自分好みの色が出てて気持ちいいフィルムだと思いました。ほんと素晴らしい。
モニタではなかなか伝わらないと思いますが、ネガフィルムともデジタルとも違う、とても温もりのある色味を少しでも感じて頂ければ幸いです。
そのまま鑑賞するという魅力
ただ前述の通り、ネガフィルムが一番魅力的なのはやっぱりライトボックスに乗せてルーペで見た時だと思います。
デジタルだとどうしても皆さんにその魅力を伝えられないのが残念です。
ライトボックス自体は高演色のLEDと乳白色のアクリルが1枚あれば簡単に作ることが出来るので、ぜひ皆さんにも一度試して貰いたいなぁと思いますね。
っていうか本当はフィルムとLED持って皆さんに見せて回りたいくらいw
感想
というわけで、以上リバーサルフィルム「PROVIA100F」について記してみました。
実は、「せっかく色が綺麗に出るフィルムを使うんだから、色が沢山あるときに使いたい!」と思って、買ってから春までずっと温めてました。(厳密には冷蔵庫に入れてたから冷やしていた。)
そういう気持ちもあって、今回はEOS-1Nを使って丁寧に撮ったりなるべく色が綺麗に見える光を探して撮ったので、そういう丁寧な気持ちが良く表れてて凄く楽しいフィルム体験が出来ました。
PROVIA100Fはその名の通りISO感度が100なので、どちらかというと屋外で光が綺麗な状態で撮ることが多いと思うんで、普段ローキーな写真ばかり撮ってる僕にはとても新鮮でした。
重ね重ねになりますが、本当にまだ使ったことない人にはぜひ使ってもらいたいフィルムです。
ちょっと高いフィルムですが、とにかく需要の少ないリバーサルフィルムは、今試さないとこの先いつまで使えるか分からないので、もしチャンスがあるならぜひ楽しんでみて下さいね!
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