一度は生産終了となったものの、Kodakが再販したことで話題になったカラーリバーサルフィルム、「EKTACHROME E100」を使用してみました!
カラーリバーサルフィルム
今回使ったE100はカラーリバーサルフィルムです。ポジフィルムとも呼ばれます。
ネガとリバーサルの違いは見比べてもらえば一目瞭然です。左がネガ、右がリバーサル。
このようにリバーサルは本来の色がそのままフィルムに残るので、後ろから光を当てるだけで鑑賞できます。これがめちゃくちゃキレイ!
このまま部屋に飾りたいくらい本当に綺麗です。
ネガとリバーサルの特性の違い
ではネガとリバーサルではどのような特性の違いがあるの?という話ですが、ネガに対してのリバーサルの特徴としては一般的に、
- 色が鮮やか
- シャープネスが高い
- ラティチュードが狭い
- フィルム代・現像代が少し高い
- 現像に日数がかかる(ことが多い)
このような違いがあります。ネガに比べると発色の高いビビッドな画になるので、風景写真などに好んで使われたようです。
またネガのように色を反転する作業が必要ないので、色再現性が非常に高いです。フィルム時代はプロの撮影に使われていたのも納得ですね。
一方で、ラティチュードが(ネガに比べて)狭いので、露出にシビアという特性もあります。
それゆえ少し敷居が高いのかなぁと思いますが、ただこれに関してはデジタルカメラの特性に近いとも言えるので、普段デジタルに慣れていればそれほど恐れることはないかなぁとも思います。
現像とデジタイズ
今回はフィルムを2本使っているのですが、それぞれ2種類別の方法で現像してもらっています。
1つはキタムラのラボで、もう1つはKodakのラボに送ってもらいました。ちなみにKodakのラボだと現像のみで880円(税込み)だったので、個人的には今後は全部Kodakに送ってもらっても良いかなぁと思っています。
デジタイズ(スキャニング)は全部Nikonの「ES-2」を使って行いました。
スキャンしただけではシャドウ側が潰れてしまうので、作例では多少シャドウを持ち上げています。
Kodak EKTACHROME E100 作例
それでは実際にE100で撮った写真を載せてみます。カメラは全てEOS-1nです。
キタムラ現像
まずはキタムラで現像をお願いした写真です。時期的には1~4月頃。家の近所とか、ちょっと外出した際に撮ったものなど入り乱れています。
どっかに咲いてた花。
こういう花などを撮ると分かりますが、本当にどの色も繊細に出る印象です。凄く綺麗。
桜と海。ちょっとスキャニングの段階でゴミがかなり写り込んでしまったのが残念。いつかやり直したいところです。
光の使い方さえ気をつければ凄く綺麗な色が出る印象です。でもデジタルみたいに「あとで暗部を持ち上げよう」みたいなことは出来ないので、そこの感覚がちょっと違いますね。
Kodak現像
続いてKodakで現像してもらったやつ。こっちは夏の空ばっかり撮っちゃったので、2つの現像の違いはよく分かりませんでした。もっと似たような条件で撮らないと比べられませんね。
なお、望遠系の写真で使ったレンズは全部EF100-400mmです。
灯台と雲。個人的には今回のベストショット、略してベスショです。
雲だけ。レンズの周辺光量落ちがそのまま出ちゃうので、もう少し絞って撮れば良かったなぁという反省。
雲を綺麗に写したかったので-1アンダー設定で撮った写真が多いです。これが正解だったかは分かりませんが…。
最後に
凄く綺麗なフィルム
というわけで、今回はKodak Ektachrome E100の作例でした。
同じフィルム写真でも、ネガだと現像から上がってきたデータを見たときや自分でスキャンしたときに「思ってる色と違うなぁ」って悩むことが結構あるんですけど、その点E100は色の出方も凄く素直だし、撮るときのイメージや意図がちゃんとフィルムに残ってるんで、凄く楽しかったです。
今回は夏の雲を必死で追いかけましたが、本当はもっと日常のスナップなんかで使っても凄くいい味が出ると思います。特に逆光を活かせればもっと魅力が出る、凄く良いフィルムだと思います。
リバーサルフィルムをぜひ使ってみてください!
キタムラの店員さんと話したんですが、最近はやはりフィルムの現像が減っているらしく、サービスが徐々に縮小しているようです。
リバーサルフィルムにはネガにもデジタルにもない独特の美しさがあって、特にライトボックスに乗せて鑑賞したときの光具合は感動を覚えるほどです。
フィルム自体が少し高いんで手を出しにくいかもしれませんが、他にはない魅力があります。
今回使用したエクタクロームE100も非常に良いフィルムで美しいので、ぜひ皆さんも使ってみてください!
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