今日はキヤノン「EF16-35mm F4L IS USM」のレビューです。
カメラメーカーの伝統的なレンズラインナップに16から35mmの超広角ズームレンズがあって、だいたいF2.8とF4があるんですが、これはそのF4のシリーズになります。
このレンズの特徴としては、周辺まで画質が良いこと、そして手ブレ補正が付いたことが大きな特徴です。
今までの広角レンズとは一味違う、ワンランク上の画質が味わえると思います。
外観
では早速外観から見てみましょう！
パッと見た感じはよくあるキヤノンのズームレンズの佇まいです。
スイッチの類はAFとISのみでとてもシンプル。ズームリング・ピントリング共にトルク感が最適で使いやすいです。フィルター径は77mm。
付属のフードを付けるとこんな感じ。フードの浅さに広角らしさが出ていますね。
最近のレンズの例に漏れずロック式のフードです。ボタンを押してから外すタイプですね。個人的にこのスタイルが着脱しやすくて好きです。
インナーズームと言えるのか分かりませんが、ズーミングしても全長は変わりません。しかし前玉がグググっと動きます。
左が16mm時、右が24mm時。ご覧のようにズームすると前玉そのものが奥に引っ込みます。なので、このレンズは防塵防滴仕様ですが、保護フィルターを使って初めて完全な効果を発揮するそうです。せっかく前玉にフッ素コーティングしてあるのにフィルターが必須なのは少し残念。
写真
それでは下手くそな写真を恥ずかしげもなく載せてみます。
まず広角レンズということで、「眼前に広がる景色」的なシーンで活躍しますね。
被写界深度が深いので、ガーッと奥行きのある画を撮ってもパンフォーカスにしやすいのが良いです。
以前撮ったシラスウナギのアレ。
これも撮影場所の都合上16mmでないと撮れない画になります。
ブルーモーメントなどの空模様とも相性が良いです。
こういうのもそう。
グラデーションを見せることが出来ますね。
あまり後ろに下がれないような場所で星景写真を撮る場合にも最適。
ただ、これは30秒。ISOが2000まで上がっています。やはりF4なので星撮りには暗いですね。
星を撮るなら比較明合成の方が力を発揮するでしょう。
一方で、被写体に近づくとデフォルメ感が出せます。
広角レンズは中途半端に撮ると被写体が小さくなるので凄く難しいです。まずはとにかく広い景色を撮るか、被写体にとにかく近寄るのが良いですね。
続いて建築写真。実は僕がこのレンズを買って以降、建築写真で一番活躍しています。
というのも広角レンズは、
- 部屋を広く見せることが出来る
- 限られたスペースでも全体を捉えることが出来る
という特性があるので屋内撮影と凄く相性が良いです。
またこのレンズは周辺まで画質が良く、また手ブレ補正が付いているので、「室内で少し絞って撮る」というような良くあるシーンで凄く力を発揮してくれるんです。
建築写真はこのレンズ無しでは撮れないなぁというのが正直なところですね。
以上あまり良いのがありませんが、作例でした。
感想
最後に感想です。
画質が良い
まずこのレンズの凄さはやはり画質の良さにあると思います。周辺を等倍拡大しても乱れを感じないので、どのようなシーンでも開放から安心して撮れます。
それでいてこのF4はLレンズの中では比較的リーズナブルなので、画質とコストのパフォーマンスは凄く高いですよね。
キヤノンユーザーでとりあえず画質に満足できる広角を！という場合はこのレンズが凄く良いんじゃないでしょうか。
一方でやはりFは4なので、星を考えるなら2.8や単焦点を選んだほうが良いでしょう。（めちゃくちゃ高いですけどね…。）
手ブレ補正がやっぱり便利
そして手ブレ補正です。
広角レンズで手ブレ補正なんて必要なのか？と最初は思ったんですけど、これが建築写真で大活躍しました。
というのも、「建築写真は絞って使いたいが、しかし三脚を使うと機動性が悪くなる」という悩みが常につきまとうんです。
このレンズは16mmの場合、だいたい1/8秒くらいならほぼ100%手ブレせずに撮れるので、少々暗い室内でも絞って手持ちで撮ることが可能になります。
カメラのファインダー内水準器と合わせれば水平も簡単に取れるので、かなり機動力が上がると思いますよ。
ただ、広角レンズは難しい
やはり特殊な超広角レンズですから、あまり考えずに撮ると迫力のない写真になりがちです。
でも良い距離感や視点を見つければとても楽しい表現が待っているので、風景写真だけじゃなく少しデフォルメの効いた写真など、楽しみ方の多い奥の深いレンズだと思います。
ということで、キヤノン渾身の広角レンズ、オススメですよ～！
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