作例
いいから早く写真見せやがれ!
という声が聞こえてきそうなので、写真を載せてみます。
85mmのレビューなんだからポートレート撮らないとダメでしょ?ということで、お友達のお子さんに頼んでモデルになってもらいました。
使用したカメラはすべて5D Mark IV、ピクチャースタイルはディテール重視に少し手を加えたもの、注意書きがあるもの以外は撮って出しです。
なお、実はポートレート撮影は人生で2回目(1度目は友人の撮影にくっついて行っただけ)という「なぜ85mm買ったんだ状態」だったんで、諸々問題点のある写真ばかりです。何卒温かい目でご高覧頂ければ幸甚に御座候m(_ _)m
ポートレート
ロケーションは尾道です。
モデルになってくれた子はカメラしてない方なんですけど、勝手に「カメラ女子」という設定を作って撮りましたw
まずは少し遠目の一枚。逆光でかなり広い範囲が白飛びしていますが、ボケは綺麗です。
アウトフォーカス部分に大口径らしい緑と紫の色づきが出ていますね。
f/1.4 1/1000sec ISO-100 WB:太陽光
続いて紅葉の中での1枚。光を浴びた葉っぱのキラキラ感が、ボケながらも綺麗に写ってる、お気に入りの1枚です。
ただ、人を左に寄せてしまったためDPPで周辺減光の補正を行いました。なぜ真ん中にしなかったんだろう…。
f/1.4 1/500sec ISO-100 WB:太陽光 (アンダー過ぎたのでDPPで露出と周辺光量を調整しました)
グッと寄ってみた1枚。まつ毛の先くらいにピントが来ているので瞳には合っていない。やっぱりここまで寄るとピント合わせが凄く難しいです。
f/1.4 1/3200sec ISO-100 WB:太陽光 レフ板ちょっと使用
縦位置。このサイズだと伝わらないと思いますが、開放なのにとても画質が良いです。
f/1.4 1/250sec ISO-100 WB:くもり
意図せず玉ボケの具合が見れる写真が撮れたので掲載してみます。口径食が出ていますね。
f/1.4 1/2000sec ISO-100 WB:太陽光
完全な日陰で撮影。これも好きな1枚。
f/1.4 1/160sec ISO-100 WB:太陽光
尾道を臨むスポットで。やんわりと背景を見せたかったのでf/4まで絞っています。
f/4 1/80sec ISO-100 WB:太陽光 少し露出調整
おまけ:カメラ女子感を出すためだけにEF100-400mmを持って行ったのだけど、完全に過剰演出だった1枚。
f/2.5 1/400sec ISO-100 WB:太陽光
ポートレート(逆光)
レンズのレビューなので、凄く極端な逆光状態でも撮ってみました。
このように画面の広い範囲に強い光源(この場合は太陽が反射している海やコンクリートなど)が入ると、確かにフレアが出て画面全体のコントラストが下がったようになります。けどそんなに変な出方では無いので、工夫次第では色々使えそうだなぁと思ったり。(というか個人的には結構好きな出方ですw)
ゴーストは、太陽ドーン!みたいなシーン以外は気になりませんでした。この辺はコーティングが効いてるんでしょうかね。
F値による違い
同じようなシーンでf/1.4と2.8を撮り比べてみました。
まずはf/1.4から。
f/1.4 1/1250sec ISO-100 WB:太陽光
ボケ量もそうですが、周辺光量、そしてこのサイズだとちょっと分かりにくいですけど周辺の解像力が違います。(ってか今気付いたけど、2.8の右下にフレアが出てますねw)
周辺まで解像させるか、周辺を減光させるか、その辺で葛藤しながら絞りを決める必要があるでしょう。
もう少し周辺光量の具合が分かるように、開放で空を撮ってみました。秋の空っぽい雲が出てたのでそれをパシャリ。
f/1.4 1/3200sec ISO-100 WB:太陽光
周辺減光が好きな人と嫌いな人がいると思いますが、僕は大好き。先程のフレアと共に、効果的に使いたいなぁと思う次第です。
スナップ
その他、ポートレート以外にも色々撮ってみました。
f/1.4 1/1250sec ISO-100 WB:太陽光
動き物もAIサーボで難なく追いかけてくれます。
f/1.4 1/2000sec ISO-100 WB:太陽光
f/1.4 1/3200sec ISO-100 WB:太陽光
f/1.4 1/3200sec ISO-100 WB:太陽光
先述の通りF値のコントロールで周辺光量や絵柄が変わるので、スナップで使うのも面白いです。画角が微妙に狭いので、自分の動きでコントロールしないといけませんが、それがまた楽しいんですよね!
こっから追加分!
行きつけのお店のお子様。RAW現像で1/3段ほど持ち上げました。
f/1.4 1/100sec ISO-2500 WB:太陽光
続いてもっとちっちゃな子。こちらは撮って出し。ピントが少しずれちゃいました。
f/1.4 1/80sec ISO-1600 WB:太陽光
自分の構える位置や高さを少し変えるだけで背景を変えられる焦点距離なので、ちょっとした点光源を入れるだけで綺麗な玉ボケを敷き詰めることが出来ます。見慣れた風景をガラッと変えることが出来ます。
ISの効果と相まって、暗い所で使うとまた新たな魅力に気づいた次第です。(追記ここまで)
感想
それでは感想を書いてみます!
画質
最初に画質について。
まず開放では、中央部は「拡大して100%でじっくり見れば少しモヤっとしてるよ」くらいの感じはありますが、十分開放から使っていけると思います。
例えばこの猫。
f/1.4 1/6400sec ISO-50 WB:太陽光
例によって開放で撮っていますが、等倍だとこんな感じです。目とか耳のあたりにピントが来ています。(等倍で表示されない場合はこちらをクリック)
一方周辺は開放だと甘さが残るので、周辺に被写界深度内に入る被写体を入れる場合は少し絞った方がよいですね。
背景のボケ具合
作例のように、基本的に背景のボケは綺麗なんですが、ごちゃっとした部分を撮ると暴れることがあるので背景の選び方に注意が必要だと思います。
この写真は開放で撮ったうちの一部を切り出したものですが、後ろでボケている枝周辺がうるさくなっているが分かりますかね?
二線ボケなのか何なのかよく分かりませんが、何度か困るときがありました。
あと玉ボケについてですが、大口径らしくしっかりと口径食とミラーボックスによる欠けが出ます!
これは一眼レフで大口径レンズを使う以上避けられない問題です。これも少し絞ることで随分改善されますので、そのあたりで工夫するしかないかなぁという感じです。
手ブレ補正の効果
確かに効いてるんですけど、過信は禁物!
手ブレ補正がついてるからあとはピントだけ気にしてりゃ大丈夫!と思って撮ってたら、1/100秒付近でも適当に構えて撮った写真は高確率でブレてました。中には1/250秒でもブレてる写真もあります。
何でかなぁ~~~と思って色々試してたら、どうやらこのIS、シャッターを押す瞬間のような細かい振動数の動きにはよく効くんですが、フレーミングを変えるような、比較的大きな動きにはあまり効かないようです。
なので、例えば「中央1点でフォーカスし、フォーカスロックしたままサッとフレーミングして即シャッターを切る!」なんて動きをした場合、あっさりとブレてしまいます。
なのでちゃんと手ブレ補正の効果を最大限得るためには、
- フォーカスロックを使った場合はフレーミング後にISが安定するのを待つ
- フォーカスロックを使わずにピントを合わせたい位置のAFポイントを使う
こういう方法が効果的です。
ISが安定するまでに掛かる時間はほんの一瞬ですが、逆に安定する直前は凄くブレやすいです。ファインダー像も安定するので見れば分かると思うので、このレンズに限らず手ブレ補正の効果に悩んでいる方はぜひ一度意識してみて下さい。
ちゃんとISが安定するのを待てば、1/20秒なんかでも高確率で手ブレを抑えることが出来ましたよ。
まとめ
というわけで、EF85mm F1.4L IS USMのレビューでした。
今回はポートレートレンズ用の大口径レンズということで、凄く期待されているレンズだと思います。
なのでちょっとでも気になったことは遠慮なく書かせてもらいましたが、正直言うとなかなか楽しいなぁと思っていますw
欠点が無いわけではないのですが、AFが速かったりISが効いてて実用でガンガン使っていけるレンズだなぁと思います。
もちろん、他にももっと使わないと分からない部分も沢山有るし、僕が気づけていない魅力も沢山有ると思うので、今後も機会を作って沢山使えたらと思っています。
また良い写真が撮れたら載せま~す。
コメント
いつも素晴らしいレビュー参考になります。
実は、機材環境がてぴっくすさんと略同じなのです。
カメラ遍歴も同じような。。。(EOS-1n所有者でした)
このEF85も12月に購入しちゃいました(笑)
やはりデカイ、重いレンズはいいもの撮れますよね。(^^;)
今後も楽しいレビュー期待しております!
よっしーさんコメントありがとうございます!
機材や遍歴が似ていると、何だかとても親近感が湧きますよね。
でもEOS-1Nまでとなると相当なもんです…!笑
EF85mm良いですよねぇ。
僕の場合、元々ちゃんとしたポートレートは滅多に撮ることがないんですが、案外ちょっとしたシーンで人を撮る機会が実は結構あるんだなぁと気付きました。
親戚の子だったり、ちょっとしたイベントの記録だったり、そういう様々なシーンで凄く使いやすく、かつ凄く良い画を出してくれるレンズなので、本当に買って良かったなぁと実感していますよ♪
あ、因みに支払が今月末なので、それだけは悲しい気分です…笑